大震災により露見する「ナレッジ喪失と企業弱体化問題」

2013/01/23

ここ数年、幾つかの大手企業に潜り込み、業務の実態を見てきました。
大手企業ほど、長期にわたる固定費、すなわち人件費の削減に腐心しています。
その結果不足するマンパワーの穴埋めを、派遣もしくは下請け中小企業に依存する構図が出来上がっています。

 
大手企業社員は、いわば特権階級化しています。管理と称し、上部とのコミュニケーションや下部への作業指示、データ取りなど上っ面の作業に終始します。
煩雑な実務や汚れ役は全て、派遣や下請け企業社員が担っています。
結果、実務面の細かいノウハウは、大手企業本体から失われているんですよね。

過去の管理記録、実務ドキュメントやデータがきちんと整理蓄積され情報共有され、まがりなりにも業務がきちんと回ればいいんです。
長年パートナーシップを組んでいる下請け企業と二人三脚で、それなりの業務品質を維持できるでしょう。
 
ところが、理想通り業務が回っていない大手企業の方が多いのではないか、という感触を持っています。
 
ナレッジマネジメントというのは、なかなか難しいんですよね。
企業組織において人が固着せず、外部依存で流動的であれば、その分ナレッジが失われ業務品質や生産性低下を招く。そこに強い問題意識を持ち、対策に取り組まないと、企業の体力はじわじわと落ちてきます。
 
原発問題を見ていると、東京電力がまさにその状態なのではと感じます。
噂によれば末端の作業員に、適切な指示も情報提供もせず「とにかく現地に行け。何とかしてこい」と送り出しているんだとか。