「ITの高度化」こそがデフレの主たる原因ですよ~

政治・経済

販売店などの事業者側から見れば、もの凄く商売がやりにくくなっています。
何でも店頭に並べておけば売れる、という時代ではありません。ITを駆使して商品情報を徹底的に分析し、良い商品だけを揃えるという努力を要します。それを怠ると「売れないダメ商品」がデッドストックとして積み上がるだけです。
 
どこでも手に入るような既成品を扱う事業者は、とにかく大変です。
消費者にとっては、確実に商品が手元に届きさえすればどこで購入しても同じですから、どうしても最安値を狙わざるを得ません。それも地域最安値ではダメで、利益を限界まで削って日本最安値を狙わざるを得ないのです。
これまたITを駆使して常に価格動向をチェックし、絶えず店頭の値札を書き換えます。
 
こうして日本全国で価格競争が激化します。そして全員が体力をすり減らし、力尽きた事業者から順に市場を去ります。
徹底的に知恵を絞って価格以外の競争手段を得ない限り、全員が価格競争に巻き込まれているわけですね。
 
結果、あらゆる商品の販売価格がこの十数年ほとんど例外なく下へ下へと向かっています。
これは何も、日本国内のみの経済現象ではありません。IT先進国から順に、世界中で同様の現象が起きています。つまりこれこそが正に、デフレの主たる原因だと幸田は考えるのです。
 
そうそう。メーカーも大変です。
従来以上に良い商品を開発しなければなりません。とにかく他社と似たような商品を作って、他社と似たような価格で販売すれば済む時代ではありません。
 
ITを駆使してユーザーのニーズを徹底分析します。またITを駆使し、世界中から少しでも安い原材料を調達します。ITを駆使し、世界中から人材や機材を確保します。ITを駆使し、より良い条件でのオフショア先を世界中に求めます。
 
こうして、「より良い商品をより安く提供する」という傾向に拍車がかかります。それが出来ないメーカーは、市場から撤退するしかありませんから。
そしてこれもまた、デフレの進行を促していると思います。その根幹に「ITの高度化」があります
 
デフレとは、景気が悪くなることではありません。単に「価格がどんどん下がること」です。
その主たる原因は、幸田に言わせれば一目瞭然です。どうしてこれまで、多くの経済学者がそれを主張しないのか、実に不思議です。
 
・・・・と思ったら、池田信夫氏が最近になってIT主因説を唱えているようですね。
幸田とは論点が異なりますが・・・・。
 
【アゴラ】
“デフレの正体はITだ – 『機械との競争』” 2013年03月01日
http://agora-web.jp/archives/1521946.html

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Posted by 幸田 蒼之助