「安売り」価格競争の功罪 - その2

2013/01/23ビジネス・起業,政治・経済

不況です。売上が伸びません。
「仕方ない。値下げするか」
というのが、経営者の思考だと思います。
 
安売りの原資は、どこに求めるのでしょうか。
うまく工夫すれば、まだまだ製造コストを落とす余地がある、というのであれば良いでしょう。
原材料をもっと安く調達できる、或いは生産効率をアップできるのであれば、それが立派な、安売りの原資となります。
 
ところが、ライバル企業も同じことを考え、同じ努力をするわけですよ。自社でできることは、他社だって大抵できるわけです。
だから価格競争となります。

で、問題はそこから先です。
製造コスト切り詰めの限界に達したとします。しかしなお、不況が続き、価格競争に歯止めがかかりません。
その先のシナリオは、大体以下のように進展します。

  1. 利益を削ります。
  2. 人件費を削ります。給与カットやリストラに踏み切ります。
  3. 消耗戦となります。リソースを大きく損ない、先に倒れた企業の負けです。

つまり、
「売上が伸びない時というのは、誰もが安易に安売り戦略をとる傾向がある」
のですが、
「安売りの効果は一時的で、すぐにライバル企業との、泥沼の消耗戦となる」
というわけです。そして企業も従業員もボロボロになった挙句、いずれ力尽きます。