プロジェクトという観点から三大ピラミッドの建造が可能かどうかを考える

歴史ってすっげ~面白い

というわけでその「プロジェクト」という観点からクフ王のピラミッド建造をイメージしてみますと・・・・。
 
現場作業員は、奴隷ではなく一般市民だったようです。
ということは年中作業したわけではなく、農閑期の3ヶ月程度を使用。王の在位期間から考えて20年程度を要して建造したんだろう、というのが定説です。
つまり3ヶ月×20年=60ヶ月≒1,800日ですね。
 
クフ王のピラミッドは平均2.5トンの石が230万個強、積み上げられていると推定されます。
2,300,000個÷1,800日≒1,278個。1日に約1,278個の石を積み上げた計算です。
夜間照明など無い筈の時代ですから、作業時間は1日8時間程度でしょう。ということは1時間に160個というペースです。
 
クフ王のピラミッドの精度は驚異的です。ピラミッド上空から計測すると、頂点の誤差がわずか1cmなのだとか。これは現代の高層ビル建築よりずっと高い精度なのだそうです。
 
原始的な技術だけを用い、遠方から石を切り出して船と人力で運搬し、高い位置へ担ぎ上げ、とてつもなく高い精度で積み上げる。それでいて作業ペースは1時間に約160個。
プロジェクトという観点から考えて、驚異的な精度を維持しつつこの作業ペースで建造するのはまず不可能です。またこの作業ペースなら、驚異的な精度を実現するのは不可能でしょう。
まずこの時点で、プロジェクトとして破綻しています。
 
石切り場から切り出すのも大変です。
石の重量は平均2.5トン。普通乗用車2台分です。
ソリで引いても30人は必要でしょう。傾斜路を引き上げる際はその10倍程度、人員を要したでしょう。
ナイル川上流のアスワン付近で石を切り出し、ギザまで船で運搬したと考えられていますので、運搬距離はざっと850km。
船への積み込み、積み下ろし。
 
コロをきれいに並べ、ソリで運搬し、傾斜路の上を引っ張る。そして1時間に160個という驚異的なペース、驚異的な精度で積み上げる。そして精度が厳格に保たれているかどうかの検査。
ムリですよね。現代の技術とプロジェクトマネジメントでも困難を極めるでしょう。
 
膨大な数のヤロー共をかき集め、宿舎を手配。食料を調達し、調理して供与。作業が滞らないよう、日々、各部署にバランスよく配置。奴隷ではないそうなので、日当なり月給なりの計算、支給も必要だったでしょう。
1日に3万人のヤロー共を要したと見積もられていますが、それだけの人数をシステマティックに稼働させるためには、かなり厳密なマネジメントが不可欠の筈です。
 
そこまで全て含めて、プロジェクトマネジメントです。少なくともそこまできっちり出来なければ、プロジェクトとして成り立たないと幸田は思います。
仮に可能だったとしても、1年3ヶ月の20年がかりで建造というのはまずムリでしょうね。