ブロムシュテット+LGOのブルックナー交響曲第8番

2017/05/26音楽における大艦巨砲主義♪

ブルックナー 交響曲第8番
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮+ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
SACD
 

 
中学生の時から、既に30年近く、ファンとしてブロムシュテットの音楽を聴き続けてきました。
クラシカルに開眼し、自らの意思で聴き始め、手当たり次第聴き比べた中で一番納得できたのが、ブロムシュテットの音楽でした。

妙なことは一切やらない。作曲者の意図をひたすら忠実に再現しようというスタンス。
非常に緻密で丁寧な音を積み重ねてゆく。しかしながら息苦しさや作為を感じさせない。なぜならまるで数学の公式に当てはめたかのような、極めて理にかなった展開。構築性。
鈍臭くなく、中庸もしくは軽快。しかしここぞという時には圧倒的なパワーでびしっとキメてくれる。トータルにおいて、絶妙のバランス感覚。
ひとことで表すとすれば、「洗練」でしょうか。
 
それが、私が30年近く前に選んだ音楽であり、以降変わらず聴き続けた音楽でした。
その場限りの感性によるものではなく、頭で納得できる音楽。理詰めの音楽。だからこそ、長年飽きることなく聴き続けられるのでしょうね。
これは今後も変わらないと思います。
 
そのブロムシュテットの、集大成とも言うべきCDが、このブル8です。
手兵ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管との、退任公演ライブ。しかしながらライブとは思えないような、精度の高い演奏です。
テンポは多少遅めか。重量感たっぷり。しかし全く鈍臭くなく、練りに練られているという感じです。
ブルックナーの演奏にありがちな、ぎすぎす尖ったところがなく、暖かみに溢れています。正にブロムシュテットサウンドの真骨頂です。