天皇とは「元祖・引き寄せの法則」の実践者

国際社会と「日本人の矜持」,歴史ってすっげ~面白い

天皇および天皇制を批判、否定する人はたくさんいますが、では天皇とは一体何か。どのような存在、どのような役目を担っているのか。
それを全く知らないまま、批判、否定するというのは、いかがなものでしょうか。
 
皆さんは天皇の役割をご存知でしょうか。天皇制とは何か、ご存知でしょうか。
簡単に解説します。

 
 

しろしめす者

「しらす」という言葉があります。それから「うしはく」という言葉があります。
「しらす」とは、こうありたい、こうあるべき、という意思を示すことを言います。
天皇陛下が日頃、
「こうなることを願います」
とおっしゃいますが、それが正にそうです。「しらす≒しろしめす行為」です。
 
「こうなることを願います」
としか言わないのは、あれは何も今日の憲法によって政治的言動が制限されているからではなく、そもそも基本的にそういう役割を担っているからなのです。
 
 
 

うしはく者

一方の、「うしはく」
これが実際の統治者です。為政者です。
「しろしめす者」即ち天皇から、統治権を担った者のことを言います。
古い時代であれば摂政や関白。もう少し下ると征夷大将軍がそうですね。明治以降、今日では国会及び内閣です。
 
一部の例外も存在しますが、天皇の元来の役割は「しらす」即ち、
「一般市民を直接統治するのではなく、統治を委任している者に対し『こうありたい』『こうあるべき』と意思を示す」
というわけです。直接的な統治者ではないのです。
 
では、その「意思」とは何か。
天皇ご自身の個人的意思ではありません。「神の意思」です。
 
ただし「神」とは、キリスト教や仏教、イスラム教などの宗教が信奉する「神」とは全く異なります。それらを「神」と翻訳した時点で、実は混乱、誤解が生じています。
 
 
 

日本における「神」とは何か?

記紀を読むとわかりますが、

  • 今日優秀な科学者達が言う「something great(正体の解明されていない、何らかの偉大なる存在)」
  • その他ありとあらゆる自然界の驚異的なオブジェクトやエネルギーの作用など

を「神(尊=みこと)」と読んでいます。
 
天皇はそれらの御魂を、自らの体内に迎え入れます。そして神に代わり、神の意思を体現し、
「この世が豊かで幸せであるように」
とひたすら祈願し続ける。いや祈願ではなく、意思の力によって豊かに幸せにする。
「元祖・引き寄せの法則」
です。
 
 
 

元祖・引き寄せの法則

そのために皇室では、大嘗祭をはじめとする様々な儀式を行います。
豊かで幸せな世の中にならなければ、自らの力不足と認識し、それが実現するまで祈願し続けます。
「八慎(はっちん / やっつのつつしみ)」
という、いわゆる天皇陛下の心得がありまして、どんなに苦しくとも耐えなければならない、実現するまで投げ出してはならない、と厳しく定められているそうです。
 
これが、(少なくとも)2,000年以上にもわたって課せられてきた、天皇の役割です。天皇とは、
「自然≒something greatに代わり、『豊かで幸せな世の中』が実現するよう、ひたすら願い続ける役目を課せられた存在」
なのです。
 
 
 

私利私欲を追求する支配者ではない

そして天皇制とは、
「天皇という、その時々の社会システムから超越した存在が、『うしはく者』に統治を委任する。うしはく者』は天皇の示す意思に従って実際の統治を行う」
というシステムです。
天皇の私利私欲に基づき、支配や統治を行っていたわけではありません。
 
「私は神より、王となることを認められた」
とうそぶき、一般市民を好き勝手に支配した、諸外国の「王権神授説」とは明らかに一線を画します。
一部の例外も存在しますが、委任した統治者さえしっかりしていれば、極めて理想的な社会が実現するのです。