だからこそ「憲法改正」 ー 国家戦略なき憲法が日本を滅ぼす
後編より続きます。
幸田はビジネスコンサルとして、常日頃「戦略の重要性」を主張しています。
しっかりした経営戦略があるからこそ、個別具体的戦術が活きます。会社という組織が一丸となって、目的や理念を追求すべく全力で前進することができます。
これは勿論、国家についても同じことが言えます。
憲法が、国家の姿を形作ります。なぜなら本来憲法こそが国家戦略そのものであり、戦略を遂行する個別具体的戦術の指針になるからです。
憲法がしっかりしていれば、しっかりした国家を形成する。憲法がダメなら、ダメ国家にしかならない。
そういう目で日本国憲法を読むと、いかにもダメ国家を形作ったダメ憲法なんですよね(^^; いやホント、GHQユダヤ人法学者達が3日だか数日だかでちょちょっと作った、お粗末なモノだということがよくわかります。
いろいろな意味で、お粗末だと感じるのです。
前編~後編にて述べたような欠陥も見過ごせませんが、最大の問題は国家戦略らしきものが見当たらないことです。そしてその前に、
「敗戦によって荒廃したこの国を復興し、押しも押されぬ立派な国家にしよう。幸と富を再び取り戻そう」
といった、戦略に先立つ国家の目的だとか理念だとか言ったものが、全く感じられません。
作られた当時の状況を考えれば、
「敗戦でズタボロになった日本を、なんとかして建て直すぞ。幸せな国家を作るぞ」
という強烈な決意、切実な願いが込められていてしかるべきだと思うのです。しかしそれが全くと言って良いほど見えてきません。
なぜか。
理由は簡単ですよね。他人が作った憲法だからです。GHQ憲法だから、それが見当たらないのです。
「他人が作った憲法だから、日本人自らの望む目的、理念と一致していない」
というわけです。当然ながら、そこにまともな「日本の国益に叶う国家戦略」など存在するはずがないのです。
逆に言うと、そこにはGHQの思惑が盛り込まれているのです。
それこそが日本国憲法最大の問題です。重大な問題があるからこそ今日、日本が苦境に陥っていると言えます。
日本人は民度が高く勤勉で、おまけに冷戦などの外部要因も助けとなり、幸いにして比較的短期間に復興を遂げました。しかしながらずっと、国家戦略不在が指摘されてきました。国家戦略として「主権者たる国民の幸と富を追求」していないのです。国益を追求していないのです。そしてふと気がつけば崖から転落しつつあります。
結局、全ての原点は憲法なのです。
ですから今、日本の現状や国際情勢を充分に考慮しつつ、
「今後数十年の日本は、こうありたい。こうあるべきだ。そのためにこうするのだ」
と目的や理念、戦略を掲げ直す。これこそがまさに、本来あるべき憲法改正論です。
ということは、九条改正がどうだとか集団的自衛権論議などは、しょせん枝葉に過ぎません。まず先に確固たる国家戦略像を描いてしまえば、その辺りは自ずと定まるはずなのです。
ディスカッション
コメント一覧
拝見しました。
・・・もっと現実に即した新たな平和主義の形を、堂々と憲法にうたうべき・・・
考えさせられました。
ほんとうに平和主義を目指すなら、それをどう 憲法に記すべきか 考えても良かったかも
しれません。
同時に。
日本が目指すべき真の平和、などといったことも話し合われるべきでしょうね。
古川さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
「信頼して」だとか「信ずる」といった、実態のあやふやなモノを“前提に”構築されたのが、日本の平和主義理念です。
よくよく憲法前文を読めば、ウソ臭いのが明らかなんですよね。
で、それを教育によって刷り込まれます。現実に即さない、ウソ臭い平和主義。・・・・
まずはここから議論、再検討すべきだと幸田は考えます。
古川さんの仰るように、「日本が目指すべき真の平和とはなんぞや?」という、理念、戦略が先なんですよね。
そこが明確になれば、
「そりゃ憲法も変えんといかんよなあ」
というコンセンサスも得られるでしょうし、自ずと、
「集団的自衛権は是か非か?」
という答えもすんなり出てくると思います。
そういった重要なプロセスを全部すっ飛ばして、いきなり集団的自衛権を論じるのが安倍政権。
そりゃ無理がありますよ(笑) むべなるかな、です(^^;
コメントへの返信、ありがとうございます。
いつも、誠実なご対応、感謝します。
・・・ そういった重要なプロセスを全部すっ飛ばして、いきなり集団的自衛権を論じるのが安倍政権。
そりゃ無理がありますよ・・・
おっしゃる通り。
安倍さん達が、そんなにも急ぐ理由は何なのでしょうか?アメリカに、緊急の軍事支援を要請
されたりしているのでしょうか?
古川さん、こんにちは。
>安倍さん達が、そんなにも急ぐ理由は何なのでしょうか?アメリカに、
>緊急の軍事支援を要請されたりしているのでしょうか?
アメリカとは限らないでしょうけれど、これはあり得ますね。