
前回より続きます。
魏志倭人伝をよくよく読みますと。――
魏朝は卑弥呼邪馬台国を、大国と見做している……と読み取れます。
魏志倭人伝全体を通して、確かに尊大な『中華思想』にまみれてはいます。ですが魏朝は卑弥呼邪馬台国を『主要な大国』と認識し、対等外交に等しい扱いをしていると判明するのです。
だからこそ、かなりの遠方だというのに卑弥呼邪馬台国までわざわざ使者を送り、膨大な贈り物と併せて『金印紫綬』を贈っています。
『先進的連合国家』『強大国』
近隣諸国に膨大な贈り物をする、というのは中華冊封における慣例ではありますが、しかし金印紫綬を贈るというのは異例中の異例なのです。