ビジネスの本質を知らないと社会が歪み続ける
既にあらゆるビジネスが飽和状態で、誠実、真っ当な取引では生き抜いていけない状況にあります。
なので、アホな消費者から順に巧妙にダマしてゆき、彼らの利益を損ねてまで自らの利益を確保する……という状況です。これは商道徳に照らし合わせると、望ましい姿から大きくかけ離れています。
幸田がビジネスを生業としつつ、ビジネスから一歩距離を置こうとしている理由が、そこにあります。
江戸時代は、高度な社会思想を土台に設計されました。
それを実現するため、日本人1人1人に高いモラルが要求されました。
商人達は代々、今日の日本のビジネスよりずっと、真っ当な商いを行っていました。毎週のように、テレビ「水戸黄門」に登場する悪徳商人なんてものは、大抵ウソです。
しかし武士や一般庶民に比べれば、やはり商人は商いの本質として、一段モラルが低いとされました。潔さに欠ける、とみなされました。
だからこそ「士農工商」と、身分階級の最下位に位置づけされたわけです。
現代日本人たる私達は、再度そこに着目すべきではないか、と幸田は考えます。
経済至上主義を肯定し、そのために「嫌悪すべき」ビジネスの本質から目を背ける。そこに、現代社会の歪みの原因があるのではないか、と想像します。
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