ビジネスの本質を知らないと社会が歪み続ける

ビジネス・起業

幸田はちょっと古いタイプの日本人です。
潔癖というか、筋の通らない胡散臭い話が嫌いです。アホな連中をダマくらかすような、イカサマ野郎の意地汚さを嫌悪します。
 
普段は穏やかな性格だと思うんですけれど、そういうケースを見かけると、途端にブチ切れスイッチが入っちゃうんですよね。
自分でも正直、ちょっとアブナいと思っています(^^;
 
最近、車のリースに関する説明動画を見かけました。ちょっと興味があったので、早速視聴しました。
 

 
まさに、幸田が嫌悪感を催すケースです。
あ、この動画に登場する解説者をディスるつもりではありませんが。……
 
動画では、
「ローンよりリースの方が、(金銭的に)お得ですよ~」
と口説いています。
 
いやいや。全然お得じゃないじゃん!!(怒)
 
簡単に当該動画の説明を分析しますと、

【ローン】
車両価格を毎月分割で支払う。
月々の価格は固定額だが、その代りその都度、メンテ費用や車検費用、税関係といった費用が発生する。
……不定期にまとまった出費が発生し、厄介。

【リース】
車両価格のみならず、メンテ費用や車検、税関係、任意保険等の一切合財を含めた上で、毎月分割で支払う。
……月々の支払い額が固定(不定期の出費ゼロ)
……車両の残存価格を予め差っ引いて計算されているため、月々の支払額が抑えられている。

というわけで、
「リースの方が『金銭的に』お得ですよ~」
と主張しているわけですね。
 
ちょっと待ちなせえ(笑)
3年であれ5年であれ、車を購入し乗り続けるのに必要な費用というのは、ローンであれリースであれ大差ないわけですよ。
車両価格は両者同一。メンテ費用だって車検費用だって、税関係や任意保険……の総額はほぼ一緒。まず、これが前提です。
 
違いは、「残存価格」なんですよね。
それを考慮し、予め支払総額に含めるか否か、の差なんですよ。
ですから前提を明らかにすることと、プラス「残存価格」について、きちんと説明する義務があるんです。
 
しかし当該動画では、それを全く説明していないですよね。
残存価格については、利用者が大きな責任を負います。責任と表裏一体で、リスクをも負うのです。
つまりリース契約終了時、モデル通りの残存価格を有していなければ、いわゆる追い銭が発生するんですよ。ここが極めて重要なんです。
 
例えば沢山乗り回し走行距離が長くなれば、残存価格が減少しますので、減少分を精算する必要があります。
あちこち擦り傷を作ってしまったり、室内を汚してしまえば、同じく残存価格が減少しますので、その分の精算を要求されます。
車ですから、当然事故を起こすこともあります。当然、残存価格は大幅に減少しますから、いずれそれを精算しなければならないのです。
 
つまり、支払総額はローンでもリースでも大差なく、リースだって最後にはまとまった金額(追い銭)を精算せざるを得ません。
「月々の支払額が1万円で済んだよ。車を安く買えてラッキー♪」
と喜んでいたら、契約終了時に50万円もの追い銭を一括請求された……なんて事になるわけです。
「え~っ!? そんなの聞いてないよ~(涙目)」
ということになるわけです。
 
「いやいや。残存価格がプラマイゼロの場合はお得じゃん」
と思われるかもしれませんが、ローンによる購入時もその分は新車購入時の下取り価格として算入されますから、金銭的メリットは結局リースと一緒なんですね。リースの方が金銭的にお得、とは言えません。
 
「金銭的に」お得、では無いのです。
残存価格について説明せず、「金銭的に」お得だと錯誤させているだけ、なんです。
むしろ金利的には、リースの方が割高なのです。ですから「お得」という表現自体がウソ……とも言えます。
 
これこそが実は、今日のビジネスの本質だと言えます。

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