「税制の歪み」と「企業献金の許容」が日本崩壊へと導く

政治・経済

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良い時代になりました。
昔のDOS時代のゲームが、無料で遊べます。
……とは言っても、DOS/V(IBM/AT互換機)用なんですが。
 

【INTERNET ARCHIVE】

 
最近はDOSエミュレーターという、Windows上でDOSアプリを動作させるエミュレートソフトがあるようで、それを利用して遊べるようです。

DOS/V版の「A列車で行こうⅢ」を見つけましたので、早速プレイしてみました。
いや感動しましたよ。
 
ARTDINKから名作「A列車で行こうⅢ」(以下、A3と表記)が発売されたのは、幸田が大学受験浪人の頃です。
バイトで貯めたお金でPC-98を買い、A3も手に入れました。
 
幸田は完全マイカー社会のど田舎育ちです。なので1浪目、新聞奨学生となり初めて大阪に出て、驚きました。即ち鉄道を中心として、いかにして都市が発展するか、経済が回るのか……を目の当たりにしたわけですから。
田舎とは大違いじゃん、と。なるほど田舎が何年経とうと発展しないのは、こういう具合に基本構造が異なるからだ、と。……
 
そんなところに興味を持った男がA3を手にしたわけです。
A3はまさに大阪にて興味を抱いた、鉄道をコアとする社会そのものの再現でした。PCが非力で随分と動作が重かったのですが、それでも夢中になってプレイしたものです。
 
 
 

税制がおかしい

A3の名作たる所以は、やはり色々な楽しみ方が出来る点でしょう。
 
都市計画に着目し、自身の意図するように都市を発展させる……というのも面白いです。
いかに路線を敷設し、またいかに効率よく資材を運搬するか。これも工夫の甲斐があります。
 
それから、経営そのものですね。
資金とにらめっこしつつ、毎年の税金を考慮しながらいかに投資を行うか……です。
 
事業資産にかかる税、要するに固定資産税は税率5%です。
一方事業収益への課税、つまり事業所得にかかる税は50%。
 
ですから儲けが出れば、決算までに収益を次の投資にバンバン回す。50%も課税されるくらいなら、税率5%の事業資産に変えてしまえ……という発想です。
なので、大企業は益々、営業基盤を強め体質を向上させていくわけです。中小零細企業との格差がどんどん広まります。
 
これが、現代の税制のデザインなんですよね。
これってホントに正しいのでしょうか。
 
 
 

昔の税制は理にかなっていた

当ブログにおいては、過去に何度も「徴税の根拠」という話をしています。
「憲法に納税義務を明記してあるからといって、何でもかんでも好き勝手に税を設定するのはおかしい」
というのが幸田の主張です。
 
大昔……即ち律令時代、租庸調という税制が存在しました。
これは、
「6歳以上の男女全てに、公平に口分田を貸与する。食い扶持を国家が保障するんだから、その代償として収益の3%(プラス雑税や賦役)を負担しなさい」
というものでした。実に合理的です。
 
その後の藤原政権の時代は、確かにムチャクチャでした。藤原氏は事実上、庶民を隷属させ荘園でこき使い、搾取していました。
ですが武家政権の時代は、
「お前達の生命と財産を守ってやるから、代わりに納税しろ」
という発想で、一応理にかなったものでした。
 
素晴らしいのは江戸時代の税制です。
まず、庶民は無税でした。今でいう町内会費や水道料にあたる費用を徴収するのみ。
基本的には資産階級や商人だけを課税対象とし、固定資産や事業税を徴収します。
 
なお、私達が学校で教わった「五公五民」というのはほぼ、ウソです。小作や網子といった労働階級からは徴税していません。五公五民は事業主たる名主や地主、網元への課税率なのです。
しかもそれとて目標値に過ぎず、現実には毎年、それ以下にとどまりました。だから為政者たる将軍や大名は、常に貧乏で借金まみれだったのです。
 
ちなみに明治維新以後も、税と言えば基本的に固定資産税でした。所得税ではありません。
 
 
 

現代社会のインチキ構図

こうして昔の税制を眺め、改めて現代に目を転じれば、そのバカっぷりがよく分かるというものです。
 
「汗水垂らして一生懸命働く庶民の、ささやかな稼ぎの上前をピンハネするなんて、極悪非道だ」
という考えが日本にはあるのです。これこそが日本古来の社会思想です。
ところが現代日本および先進諸国は、憲法に国民の納税義務を掲げ、それを錦の御旗に平然と、庶民のなけなしの稼ぎに課税するわけです。しかもその税率が結構高い。
 
その妥当性について、どうして誰も疑問を抱かないのでしょうか。
高すぎる、ではなく、所得税の存在自体がおかしいのです。
 
税とは本来、固定資産や事業資産から徴収すべきなのです。
特に土地をはじめとする天然資源は、本来「国家の共有資産」です。国民の平等権を保障する国家であれば尚更、国民に等しく分配されるべき資産だと言えます。
 
しかし日本を含む先進諸国の多くは、固定資産の私的占有や継承を認めています。いわゆる既得権益です。持てる者と持たざる者の不平等が、生まれながらにして存在しているわけです。
 
これがそもそも、現代社会のインチキ構図と言えます。
やむを得ずそれを認めるというのであれば、そこにこそ多めに課税し、「持たざる国民」に還元されるべきなのです。
財産の平等を担保しなければ、人権的平等は保障出来ません。そこを上手くカバーする制度でなければならない筈なのです。
 
 
 

税制の歪みが格差拡大をも助長

ですが、現代先進諸国はそれをやっていません。
ですから持てる者と持たざる者の経済格差が、ますます広がるわけですよ。
これはもう、実に明白なリクツです。
 
A3で遊んでいると、そこがよく見えるんですね。
事業所得は課税率が高いので、バンバン次の投資に回して事業資産の方を増やす。事業資産は次の営業利益を産み、収益体質が向上する。営業利益が増えればまた投資。……
 
こうして大企業は、どんどん大きく強くなります。経営基盤の弱い中小零細企業との格差も、どんどん広がります。
しかし営業利益を次々投資に回すため、納税額の伸びは非常に少ない。
 
大企業の納税額が驚くほど低いのは、皆さんもご存じだと思います。で、政府は税収が伸びず苦慮しています。
ですがこれは、税制に起因する、当然の結果なのです。これぞ現代社会の「税制の歪み」だと言えます。
 
 
 

税制がおかしい

庶民がガッツリ納税させられ、貧困に喘ぐ。経済格差が拡大する。大企業のみが美味い商売で左団扇。経済全体は右肩上がりでも政府税収は改善せず。……
その理由の多くは、前述の通り「税制の歪み」のせいなんです。
 
ですが、政治家はそれを改善しようとしません。
なぜなら、
「(特に)日本は企業献金を認めているから」
なのです。
この歪んだ税制のおかげで、企業活動は活発になります。各政党は政治献金を享受しているため、大企業の不利益となる「税制の歪み是正」に手をつける筈がないのです。
 
その代わり、税収アップを図って庶民からあの手この手で搾取しようとする。
当然、自浄作用は働きません。
 
これが現代日本社会の姿なのです。そりゃもう、この先の日本社会がどうなるか、火を見るより明らかですよね。
久々にA3を堪能しつつ、そんな事を考えさせられました。