日本人の矜持 - 九人との対話(藤原 正彦著)

休日は読書三昧


 
日頃幸田が主張していること、考えていることとあまりにも一致し過ぎていて、驚いてしまいました。
幸田は常々、「戦後日本は復興したのではなく、破壊されたのだ」と主張しています。その具体的ケースが、数学者藤原正彦氏と様々な分野において活躍されている方々の対談において、見えてきます。

日本には長い歴史によって築き上げられた、高度な文化的土壌があり、高潔なモラルがあり、それらに裏打ちされた強烈なプライドがありました。
著者藤原氏はこれを、「矜持」と表現しています。これこそが戦前の、日本人の優秀さ、強さ、気高さ、潔さの源泉でした。
 
戦後の教育がそれらをことごとく失わしめた、というのが著者の主張です。仰る通りだと思います。
なぜ、教育が破壊されたのかは孫崎享著「戦後史の正体」において述べられています。そして前述の通り、どういう具合に破壊されたのかは、本著において見えてきます。
 
両著を読みつつ、幸田は痛感します。日本を建て直すための戦略が必要だ、と。そして戦略に基づく、教育の改革に一刻も早く取り組むべきだ、と。
日本を変えるのは、人です。日本人です。日本人自身が変わるべきです。「矜持」を取り戻すべきです。あらためて、そう感じさせられる1冊です。

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