「死都日本」を読んで東北大震災を考える

2013/01/23休日は読書三昧


 
霧島連山が一瞬にして吹っ飛び、消滅するという小説です。
 
破局噴火、と言うんだそうです。
大きな隕石が地上に落下するのと同様の、巨大な被害を世界中にもたらします。数年、いやそれ以上にわたり世界中の気候を狂わせ、生態系を破壊します。

大災害という括りで、現実に起きた今回の東北大震災と照らし合わせると、本当にいろいろなことを考えさせられるわけですよ。
 
古事記には、巨大噴火の記録が見える、というのが著者石黒耀氏の主張です。
イザナギイザナミの伝説は、恐らくは(霧島の)噴火という大災害から逃れた人々の記憶を語っているのだ、と言うのです。
なるほど。
 
ということは、それらの人々の末裔、つまり大和王権の礎を築いた人々が、火山爆発という災害リスクをよく知っていたのではないかと想像します。
そして今回のような地震、津波のリスク。先日も述べましたが、今回の震災は決して、1000年に一度というものではありません。
 
大和王権が日向を発ち、関西に赴いた。そして奈良に都を構え、その後京都に都を構えた。
これは単なる偶然の行動ではなく、歴史に学び大災害のリスクを熟知した上での、極めて賢明な選択の結果だったのではないかと、今更ながら気付かされるわけですよ。
 
どうですか?
私が思うに、奈良にしろ京都にしろ、津波被害とは無縁ですよね。
巨大地震災害とも、地理的にあまり縁のない地域です。そして火山噴火とも。・・・・
よくよく考えてみれば、都市を建設するのに最適の土地ではありませんか?
言い換えれば、この日本に、奈良や京都以上に災害リスクの低い土地がありますか、と。
大和王権を築いた人々は多分、火山国日向を去り、自らの意思で災害リスクを避け、奈良京都を選択し都を築いたんですよ、おそらく。
 
そういう具合に考えると、いわゆる歴史に学ぶという姿勢を忘れて、首都を江戸(東京)に移してしまったのは、大きな過ちだと思うんですよね。
東京は、地震津波といった災害リスクが極めて大きく、都市として脆弱過ぎます。

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