Amazonとヤマト運輸問題に、自由主義社会の行く末を占う - 前編
幸田はウソやインチキが大嫌いです。
一方で、ウソやインチキに簡単に騙されるヤツも大嫌いです(^^;
「常識のウソ」なんてモノは、ホントに大っ嫌いです。
なんでそんなモノがこの世に存在するのか。騙すヤツもアレですけど、騙されるマジョリティもおかしいでしょ(笑)
幸せで豊かな社会を築くのに、ウソやインチキは不要です。
というわけで、久々に「常識のウソ」ネタを書きたいと思います。
制限(統制)と自由(放任)
江戸時代。・・・・
徳川幕府は人々に、多くの制限を課していました。
市民は概ね自由に行き来できましたが、住所の移動はNGでした。川に、幕府の許可なく橋を架けるのはNGでした。大船の建造もNGでした。商売の新規参入も制限していました。
一方、現代の日本では、そのような江戸時代の統制主義を貶すと共に、自由主義をほぼ無条件で賞賛します。教育において子供達に、自由主義の正当性を刷り込みます。
- 人は誰でも、好きな所に住み、好きな職業に就いていいんですよ~。
- 税金を使って道路をどんどん作り、全国どこにでも移動し易くしましょう。便利になりますよ~。
- 港湾や空港をたくさん作り、海路や陸路の交通網も整えましょう。便利になりますよ~。
- 自由に商売できる環境を整えましょう。ビジネスの新規参入、大いに結構ですよ~。大店法など撤廃しましょう。TPPを締結しましょう。非関税障壁を撤廃しましょう。
という具合に、とことん自由主義を追求しています。
これは、理念としてホントに正しいのでしょうか。
現在世間で話題となっている、ヤマト運輸とAmazonの問題を眺めつつ、考えてみたいと思います。
交通網充実の功罪
交通網の充実は、嬉しいことです。高速道路が開通したり、地元に空港が開港したりすると、
「便利になった♪」
と皆、喜びます。
しかしそれらの費用は、誰が負担しているのでしょうか。
勿論、私達一般市民ですね(^^; 税金であったり、各種利用料の名目で整備費用を負担しています。
ということは、私達一般市民としての費用対効果を考慮すべきだと思うんですよ。
住まい周辺の道路が整備される、というのは純粋にメリットだと思います。
しかし私達は、高速道路を1年に何回使用しますか? 港や空港は如何でしょうか? ホント数える程しかありませんよね。
つまり、多くの方々にとっては使用頻度の低いモノを、どんどん整備しているわけです。そしてその費用をどんどん負担させられている、という構図があるわけです。
「便利になるぞ~♪」
という甘いエサに釣られて。・・・・
交通網と物流網と経済
勿論、間接的なメリットもあります。これは決して小さいものではありません。
私達一般市民は、身近な所で入手不可能なモノや、より安価なモノを、全国各地から短時間で取り寄せることが可能となりました。非常に便利になりました。
- 交通網の充実に伴い、ヤマト運輸をはじめとする運送業が台頭。
- 同時進行で、力のあるメーカーや生産者がシェアーを伸ばし始めた。
- 併せて全国規模で(通信)販売を手がける小売業者が台頭。インターネットの普及が、その傾向に拍車をかける。
- こうしてビジネス環境が整った後、国際企業Amazonが日本に進出。
交通網充実の恩恵を一番受けているのは、それら運送業者やメーカー、生産者、それに通販業者だと言えます。
私達一般市民が交通網整備費用を負担し、旺盛な消費活動によりビジネス環境を整え、その結果彼らを大いに儲けさせる、という経済の構図が存在します。
マクロ視点で経済を眺めると・・・・
経済の自由主義と、徹底的な交通網の充実政策。・・・・
一見、良いことづくめのように感じます。私達は多額の費用の負担を強いられているものの、より良い商品をより安く、短時間で手に入れることが出来るようになりました。
しかし、それはホントにメリットだけなのでしょうか。
中編へ続きます。
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