残念ながらトンデモ論!! 三橋貴明氏「日本が国債破綻しない24の理由」
以前から三橋貴明氏の、
「日本政府がいかに借金を増やそうと、財政破綻はあり得ない」
という説に、ちょっと興味を持っていました。
先日、「日本が国債破綻しない24の理由」という動画商材が100円で販売されていたので、良い機会だと思い購入してみました。
なるほど。やはりトンデモ論でした(^^;
三橋氏に対しまともに反論できる方がいないため、氏の説が支持され信者が多数存在するようですが、よくよく読むと珍説奇説の類ですな。残念ながら。
というわけで、以下、氏の説を分析したいと思います。
政府財政破綻の定義?
三橋氏によると、「財政破綻」の定義とは明確なんだそうです。つまり、
「政府負債たる国債の償還、利払いが出来なくなること。即ち債務不履行の事態に陥ること」
だそうです。
「それ以外の定義はありません」
とのこと。
日本政府の場合、自国通貨建てで国債を発行(国債の引き受け手がほぼ全て国内)しているので、むしろ債務不履行の事態を引き起こす方が難しい、わざと意図的に財政破綻を起こすことも困難・・・・と述べます。
「だから財政破綻はあり得ない。破綻論はウソだ」
と。
いえいえいえ。その前提が、実は間違っているんですよ。
確かにIMFによる財政破綻の定義などは、氏のおっしゃるように「政府の債務不履行」です。
しかしそれはあくまで一面的な定義に過ぎません。財政破綻の定義は、実は様々なのです。様々な立場の方が様々な定義を主張し、決して明確に定まっているわけではないのです。
三橋説は、この「前提」の認識に問題がある、ということが判ります。
日本は過去に財政破綻の経験を持つ
三橋氏は、
「日本政府は過去に、財政破綻を引き起こしたことはありません」
と述べています。
いえいえ。ありますよ(^^;
敗戦直後の昭和21年、財政破綻状態に陥っています。
この時は「預金封鎖&新円切替」を行い、日本政府は国民の側にツケを回して政府負債をチャラにしました。
氏に言わせれば、
「帳簿上、債務不履行に陥っていないから、定義に照らし合わせれば財政破綻ではない」
ということかもしれませんが、だとすればとんでもない話です。政治学的に見れば立派な財政破綻です。
つまり、
「財政破綻の定義は(三橋氏の主張に反し)様々なので、破綻に至るシナリオは複数存在する」
というわけです。昭和21年のケースがまさにそうなのです。
三橋説に欠けている「視点」
三橋氏の説の結論は、
- とにかく債務不履行に至らなければ良い。
- 政府負債が幾ら増えようと、政府の子会社たる日銀がどんどん引き受ければよい。
- 日銀は国債を引き受けて資産を増やし、その分お金を刷る(負債を増やす)。つまりどんどんバランスシートを膨らませばよいだけの話。
- どうせなら長期国債ではなく無期限国債にし、借金を永久に塩漬けにしてしまえばよい。
- そうすれば永久に、債務不履行には陥らない。つまり政府財政破綻は、理論上あり得ない。
というものです。
アホですか!?(笑)
そんな、モラルを無視したデタラメ政策、いつまでも続く筈がないでしょ(^^;
ディスカッション
コメント一覧
貴方のおっしゃることは最もですがその理論では三橋氏に完全に論破されてしまいます。
しかも氏はジャブジャブとかドカドカとおカネを発行してもいいとはおっしゃっていない。
適切な需給バランスが許す限りであります。。
ただ昭和21年はデフォルトでいいとは思いますが・・・・
ジョージさん、コメントありがとうございます。
ですが、
> 貴方のおっしゃることは最もですがその理論では三橋氏に完全に論破されてしまいます。
もっと具体的に、どこが弱いのか、どう反論されるだろうかをお書き頂きたいと思います。
そうでなければ、書かれたこちらとしては、単にケチを付けられているように感じますので。
> しかも氏はジャブジャブとかドカドカとおカネを発行してもいいとはおっしゃっていない。
> 適切な需給バランスが許す限りであります。。
なるほど。
幸田は、三橋氏が現状よりジャブジャブを容認している、と読み取りましたけれどね。
残念ながらPCトラブルにより、購入した三橋氏テキスト類を全部消失してしまいましたので、即座に確認が取れません。
そのうち著書を読み確認してみます。
三橋氏の言う財政破綻は国債発行での財政破綻という意味ではないですか?それしか聞いたことが無いです。
幸田様の仰る財政破綻は「戦争などで供給能力が壊滅した経済状態でとった対処方法」という財政ではないもの指しているように思えます。
また「モラルを無視したデタラメ政策」という抽象的な表現で何を言いたいのかよくわかりませんし、そもそも反論ではありません。
反論というならば具体的な理由を書いていただきたいです。
匿名さん……ジョージさんでしょうか。コメントありがとうございます。
> 国債発行での財政破綻という意味ではないですか?
同じことです。経済状態や国家情勢がどうであれ、また国債発行残高が幾らであれ、とにかく政府が払うべき金を期日通り払えなくなった瞬間が「財政破綻」です。
それから紙幣を膨大に刷りまくって、「とにかく金を期日通り払って、帳簿上債務をチャラにした。だけど紙幣も紙切れになった」という状況も、やはり財政破綻ですね。
財政破綻とは、イコール、「政府国家の信用(credit)がゼロになる」ということです。
支払いが出来なくなっても信用がゼロになるし、モラルを失い信用ゼロで通貨が紙切れになるのも、表裏一体で結論は一緒なのです。
> 「モラルを無視したデタラメ政策」という抽象的な表現
モラルなき国債乱発の事です。
ジョージさんは先般、
「三橋氏はジャブジャブとかドカドカとおカネを発行してもいいとはおっしゃっていない。適切な需給バランスが許す限りであります」
とおっしゃっていましたね。
ですが、毎年歳入を大幅に超えた借金をしている現在の財政は、すでに適切な需給バランスを完全に逸脱しているのです。
今以上に借金せよ、という意見は、残念ながらモラルなき国債乱発なのです。
> そもそも反論ではありません。
「その理論では三橋氏に完全に論破されてしまう」ということは、つまり三橋氏ならばおそらくこのように反論し、結果幸田の意見をこのように論破するだろう……という想定があるわけですよね。
つまりジョージさんの、「三橋氏ならこう反論するだろう」というご意見を具体的にお聞かせ頂きたい、という意味でした。
「適切な需給バランスが許す限りの国債発行であれば、財政破綻はあり得ない。三橋氏はそう言っている筈だ。幸田はそこを誤解しているので、三橋氏に論破されるだろう」
という事でしたら、なるほど理解しました。
ですが前述の通り、既にそのラインを超えていますので、またちょっと違った話になると思いますよ。
お返事ありがとうございます。私はジョージ様ではありませんが恐らく言いたいことは似ていると思います。
私が前回伝えた内容で言葉足らずだったのが、三橋氏が主張するのは「“平時における”国債発行による財政破綻」です。
有事の際は異なると本人は発言しています。申し訳ありません。
幸田様の財政破綻の定義は平時と有事を分けず、ハイパーインフレや信用の失墜が財政破綻を意味すると解釈いたします。
であれば私も財政破綻は有り得ると考えます。日本が壊滅すればそのようになることは容易に想像できます。
それでは平時である現在に限定して、1000兆円の負債を政府は抱えておりますが日本国債の長期金利はマイナスの高い信用を得ており、物価は20年以上デフレという状況下で、今後どのような経路で財政破綻を迎えるとお考えでしょうか?
匿名さん、コメントありがとうございます。
ジョージさんではないんですね。大変失礼致しましたm(_ _)m
三橋氏の主張というのは、「平時に限定すれば」国債発行による財政破綻はあり得ない……という意味ですか。
それは気付きませんでした。ご指摘ありがとうございます。
まあ、でもそれはそれでおかしいですね。
先程も書きましたように、「国家の信用(credit)がゼロになる時」が国家破綻です。
もしくは「この先ゼロになるだろう気配を、多くの人が感じた時」でしょうね。
この「信用(credit)」というのが実はくせ者で、経済学の根幹にあたる癖に、(三橋氏もそうですが)経済学者もその本質を掘り下げないところです。
信用とは、いわば与信枠という言い換えも可能です。借金返済可能見込み総額、でもいいです。
会社だと「この会社は信用ゼロだ」と債権者が看做した瞬間が破産です。年間売上と同額の債務だとか、資産額などが基本的な信用目安です。
国家に関しても似たようなものです。ですが会社と根本的に違うのは、国家の場合、基本的に国民と不可分の関係があるわけです。その結果、国家の信用には「国民に対する信用をも加算される」のです。
現在の日本が、他の破綻懸念国以上に財務内容が悪いにもかかわらず破綻の気配が無いのは、つまり、
「奴隷以上に真面目で忍耐強い働きバチ日本国民が、ちゃんと日本政府の放漫財政のツケを払ってくれる」
という大きな信用があり、結果として国家全体の信用見積もりが大きいからなのです。
政府財政への信用がマイナスでも、日本国民に対する信用がそれを埋めている状態で、その結果国家財政の破綻を回避出来ているのです。
> 今後どのような経路で財政破綻を迎えるとお考えでしょうか?
以上の説明を踏まえれば、例えば……。
「日本国民が政府を見放し、真面目に働かなくなったり納税しなくなる」
我々日本人が政権や政府のデタラメぶりに呆れ果てるとか、社会システムのイカサマ構造がバレバレになるとか、動機はなんでもアリでしょう。
日本国民がやる気を無くし、日本国民のクレジットが消失した時が国家破綻の時であり、同時に財政破綻の時でしょうね……理論上は。
まさに「平時における財政破綻」のシナリオです。
お返事ありがとうございます。
「現在」→「政府不信による労働・納税拒否」→「財政破綻+国家破綻」と解釈します。
であれば三橋氏の理論の前提はあくまでも平時における理論であり、労働・納税拒否という異常事態を想定していませんので、前提が乖離しており幸田様のお考えと全く合わないのだと感じました。
私としても経済的な視点が幸田様と異なるため、理解するためには相当な時間が必要と感じますのでお話を続けるには少々難しいかと。
差し出がましいようですが、批判をするのであれば相手の話す内容をもう少し理解していただいたほうがよろしいかと思います。
お付き合いくださりありがとうございました。
匿名さん、コメントありがとうございます。
> 三橋氏の理論の前提はあくまでも平時における理論であり、労働・納税拒否という異常事態を想定していませんので、
幸田が、「この『信用(credit)』というのが実はくせ者で」と述べたのは、まさにそこなんですね。
現代経済は信用(credit)を根幹として成り立ちます。
このクレジットとは、実態が無いんです。平時、突如として消滅する可能性を有します。
しかし消滅した瞬間から、平時でなくなるんですね(^^; いわゆる有事に突入します。
「平時の国債発行増」→「財務バランス崩壊」→「政府の信用(credit)喪失」→「労働・納税拒否という異常事態」→有事突入……の順です。
ですからそもそも、平時/有事と限定し、その前提で論じること自体に無理があるんです。
ですが経済学において、信用(credit)の本質を教えてないですよね。
「経済の根幹は実態の無いクレジットによって評価、形成される。である以上本質的に、ある日突然雲散霧消する可能性をはらむ」
なんて教わりません。先程スティグリッツの経済学入門書の目次を、ちょっと確認してみましたが、それらしい説明項目はありませんでした(笑)
> 差し出がましいようですが、批判をするのであれば相手の話す内容をもう少し理解していただいたほうがよろしいかと思います。
ありがとうございます。肝に銘じます。
>そもそも中央銀行たる日銀が、政府国債を直接引き受けること自体、モラルに反すると言えます。そんな日銀を、国民や外国は「信用」しますか?
政府に「徴税権」や「警察権」が存在する以上は「信用」せざるをえないでしょうね。
「日本円」で納税しなければ犯罪者として投獄されるんですから。
これを「国定信用貨幣論」って言いますが、「税の支払い手段」として貨幣が存在する限り、「貨幣の需要」が無くなることはありません。
コメや布や貝殻が税の支払い手段だった頃は、コメや布や貝殻が貨幣として「信用」されてたんですよ。
海岸に行けばいくらでも拾えるような貝殻がですよ?
ボールが入らなくても「財政破綻の定義」というゴールポスト自体を前に下げれば、そりゃいくらでも財政破綻はするでしょうよ。
極論、「日銀が1円でも貨幣を発行したら財政破綻」と定義すれば財政破綻したと主張することもできるんですからね。
それなら世界中の国はとっくに財政破綻してることになります。
でもそれで国民生活=経済に問題があるとは言えないんですよ。
匿名さん、コメントありがとうございます。
>政府に「徴税権」や「警察権」が存在する以上は「信用」せざるをえないでしょうね。
コメント冒頭に引用されている箇所を、よくお読み頂きたいと思います。目的語は「日銀」です。政府ではなく、日銀に対する信用、です。
ちなみに、政府に信用があるからこそ、通貨に信用(≒価値)がある。その上で税務署が機能し徴税権を行使する。また警察が機能する。
ですが政府の信用(credit)がゼロになれば、税務署も警察も機能しないし、同時に通貨も紙切れになるでしょうね。
徴税権や警察権があれば政府の信用は担保される、というのであれば、先日十何度目かのデフォルトとなったアルゼンチンはどうでしょうか。
あの国にだって税務署や警察はあるでしょう。ですがデフォルトにより、アルゼンチンの信用は失われましたよ。
>これを「国定信用貨幣論」って言いますが、「税の支払い手段」として貨幣が存在する限り、「貨幣の需要」が無くなることはありません。
通貨の需要の話をしているわけではないんです。通貨の信用、通貨の価値です。
それを政府の信用(credit)&モラルが裏打ちしているんですよ~、というのが当記事の論点です。
ちなみに「国定信用貨幣論」という言葉は不勉強にして初耳なのですが、どうやら中野剛志氏の造語だそうですね。
氏の本を読んでいないためよくわかりませんが、おそらく「政府に信用がある」という前提で成り立つ理論ではありませんか?
>現代経済は信用(credit)を根幹として成り立ちます。
このクレジットとは、実態が無いんです。平時、突如として消滅する可能性を有します。
いや、日銀券たる日本円にも信用実態はありますよ。
「徴税権の免除」っていう信用実態が。
我々が日銀の発行する日本円を「日本の貨幣」と認めている理由は、日本円を所持することで日本の税金の支払いを免れることができるからですよ。
逆に税の支払い手段として認められていなければ、誰がこんな紙切れをありがたがるんですか?
仮に日本円じゃなくてドルが税金の支払い手段として認められれば、たちまち日本円は紙くずになるでしょうね。
匿名さん、コメントありがとうございます。
他記事に頂戴したコメントにもレスさせて頂きましたが、おそらくcreditの意味を誤解されていますね。
現代経済を分析する上で、creditという概念は極めて重要です。お時間がある時にでも、勉強される事をお勧めします。
>いや、日銀券たる日本円にも信用実態はありますよ。
>「徴税権の免除」っていう信用実態が。
creditと日銀券(日本円)は別モノですよ。
ちなみに幸田は独身おっさんですから(笑)それなりにお金は持っていますが、徴税権を免除(課税を免除?)された事は一度もないですね。
日銀券(政府に対する間接的債権)を税務署に渡し、政府債務と相殺しています。
>コメント冒頭に引用されている箇所を、よくお読み頂きたいと思います。目的語は「日銀」です。政府ではなく、日銀に対する信用、です。
その日銀の信用を保証してるのは政府ですよ
日銀の実態は政府の内部機関であり子会社なんですから
>ちなみに、政府に信用があるからこそ、通貨に信用(≒価値)がある。その上で税務署が機能し徴税権を行使する。また警察が機能する。
ですが政府の信用(credit)がゼロになれば、税務署も警察も機能しないし、同時に通貨も紙切れになるでしょうね。
税務署や警察が機能してれば通貨に価値はあるでしょうし、戦争等で機能していなければ通貨価値は暴落するでしょうね
でもそれと「貨幣発行量」には何の関係もありません
あくまでも物価は消費者の実需によって決まる実態経済の「流通貨幣量」とモノやサービスの供給量のバランスによって決まりますから、貨幣を発行しても消費者の「実需」が存在せずに貯金されたら物価は上がりません
その上でさらに累進課税の税金が流通貨幣量を減らすんですから
あれだけ流通貨幣量の多かったバブルの頃の日本ですらインフレ率は4%弱ですよ
そもそも警察権が機能しなくなるぐらい国土が荒廃していたら、貨幣を発行してようがしていまいがモノ自体手に入らないんで、物価が高かろうが安かろうが意味が無いと思うんですが
それなら平時は貨幣発行した方がトクですよね
逆にモノが溢れかえっているのに警察権が機能しないとか、どういう社会なんでしょう?
>徴税権や警察権があれば政府の信用は担保される、というのであれば、先日十何度目かのデフォルトとなったアルゼンチンはどうでしょうか。
あの国にだって税務署や警察はあるでしょう。ですがデフォルトにより、アルゼンチンの信用は失われましたよ。
MMT論者からも外貨建て国債だったり固定為替相場制の国ならデフォルトするのは当然だと指摘されていますよ
「外貨」で返済する必要のある借金に自国通貨をいくら発行しても無意味でしょうから
アルゼンチンは「ドル建て国債」です
国定信用貨幣論は「自国通貨建て国債」の話ですよ
そしてMMTが適応される日本は「自国通貨建て国債」
全く関係のない事例を挙げても反証にはならないですね
>ちなみに幸田は独身おっさんですから(笑)それなりにお金は持っていますが、徴税権を免除(課税を免除?)された事は一度もないですね。
徴税権(他者に義務を強制する権利)ってのは税金を支払った時点で消滅しますから、税金払ったことのある人なら誰でも免除されてますよ
単に労「役」とか兵「役」といった「税(義務)」の代わりに「日本円」を支払っているだけですから
税=税金(日本円)のことじゃないんですが、兵役義務に限らず様々な「税(義務)」が廃れた日本ではよく勘違いされていますね
単に税の支払い手段が日本円の支払いに一本化されてるだけで、「そもそも税とは何か」が忘れられているんですよ
昔の日本で布が税として納められていたのも、布を納める「役」が存在していたということで、それが免税されるということは布を納めなくてよくなるということ
匿名さん、コメントありがとうございます。
皆さんであれこれ考え、議論できる環境が欲しいと願っています。色々とご意見を寄せて頂けるのは非常にありがたいです。
>>その日銀の信用を保証してるのは政府ですよ
>>日銀の実態は政府の内部機関であり子会社なんですから
再度、credit概念をご理解下さい。
既存の経済学の教科書等には解説が無いかもしれませんが。……
結局その部分で、匿名さんと幸田のやりとりが根本的にズレています。
>>税務署や警察が機能してれば通貨に価値はあるでしょうし、
例えば米ドルを見て下さい。税務署や警察はちゃんと機能していますが、ン十年というスパンで見るとかなり価値が下落していますよ。
この先、戦争が無くとも下落や暴落のシナリオは、幾らでもあります。
>>あくまでも物価は消費者の実需によって決まる
>>実態経済の「流通貨幣量」とモノやサービスの
>>供給量のバランスによって決まりますから、
古いですね。現在の経済学の授業でも、そう教えているのでしょうか。
そもそも流通貨幣量の話は、どこから出てきたのでしょうか。当記事では、流通貨幣量だとか物価の話とは根本的に異なるテーマを扱っています。
ちなみに貨幣の流通量が一定で物価が安定していれば、政府のcreditは上下せず通貨価値も維持されるでしょうか。
そんな事はないですよね。全く別の話です。
逆に、政府のcreditが下がれば流通貨幣量にも影響する。当然物価にも影響するが、それは相関関係にすぎない(因果関係ゼロではないが日本の場合は極小)
>>アルゼンチンは「ドル建て国債」です
>>国定信用貨幣論は「自国通貨建て国債」の話ですよ
国債の外貨建て、自国通貨建ての区別は、実はナンセンスです。
それもcredit概念を理解すると氷解します。
思うに経済学者がcredit概念に言及しないのは、一般に教えたくないんでしょうね。そう勘繰っています。
>>税金を支払った時点で消滅しますから、税金払った
>>ことのある人なら誰でも免除されてますよ
免除と消滅は全然別ですね。
免除とは「義務を果たさなくてもよいと許すこと」
義務を果たし終えたのであれば、それを免除とは言いません。
>通貨の需要の話をしているわけではないんです。通貨の信用、通貨の価値です。
それを政府の信用(credit)&モラルが裏打ちしているんですよ~、というのが当記事の論点です。
政府に信用があろうが無かろうが、給料として支払っている通貨に信用があるの間違いじゃないんですか?
そしてその通貨に価値を与えるのは「政府の徴税権」とその免除権としての機能です
政府の信用とかいうふわっとしたものが価値を与えているわけじゃないですよ
通貨に価値がなければいくら政府に信用があっても公務員になろうとする人間はいないと思うんですが
誰だってタダ働きはしたくないでしょうし
仮にシンガポールドルで支払われても税金は日本円で徴収されるんですから
匿名さん、コメントありがとうございます。
もし匿名さんの仰る通りであれば、
・警察、税務署を設置してきちんと機能させ、
・税金徴収を必ず自国通貨で行う。
などといった条件を満たせば、その国家は通貨が大幅に下落するとか、紙切れ同然になる事は絶対にないわけですよね。
しかし実際はどうでしょうか。
第一次大戦後のドイツだとか、ハイパーインフレ発生時のジンバブエだとかには、警察も税務署も無かったのでしょうか。自国通貨で徴税していなかったのでしょうか。
また、自国通貨が紙切れ同然にまで下がった時、警察や税務署員等、公務員になる人が居るでしょうか。現職警察や税務署員が、給与を紙切れ同然の自国通貨で貰ってなおも働き続けるでしょうか。
匿名さんのおっしゃっている理論や、それこそ以前挙げておられた「国定信用貨幣論」などは、確かに通貨の信用を「維持する」一定の役割を担っていると思います。
ですが、紙切れを通貨たらしめているのは、根本的に「政府のcredit」なのです。
>>政府の信用とかいうふわっとしたもの
ブログ記事中でもレスでも説明しましたが、「ふわっとしたもの」ではないですよ。
ですので「credit」について再度ご理解頂きたいと思います。「credit=信用」ではありません。経済学用語として「信用」と訳されていますが、これは本質を突いていない……というのが当ブログの主張です。
とりあえずブログ主が「信用」の実在をまともに証明できていないことは確か
「外貨建て国債と自国通貨建て国債に違いが無い」とか言われても、その「原理」が説明されていないから意味不明なことを言い出したとようにしか見えない
どう見ても外貨建て国債の方が危ない金融商品
貿易赤字だと永遠に返済できない外貨建て国債が、自国通貨建て国債とリスクが同じわけがない
そこらへんの道理が説明できない限り、外貨建て国債の国と自国建て通貨の国を同列には語れないよ
そうなると当然、外貨建て国債で外貨での支払い義務を負っていたドイツやギリシャを、自国通貨建ての国債の国と比較するのも無意味
そりゃ当時のドイツやギリシャみたいに、外貨建ての借金した上に貿易赤字なら自国通貨価値は暴落するだろう
それなら結局、ドイツやギリシャの貨幣価値に影響与えていたのは貿易赤字であって、貨幣発行残高ではないって証明にしかなっていない
貨幣発行しなくても、貿易が赤字ならハイパーインフレなるってことになってしまう
結局どれも既に他のMMT論者によって反論済みの事しか言っていない
本当に信用が貨幣価値に影響を与えるのなら、バブル崩壊以降1000兆円規模で貨幣発行残高が増えている日本の信用はどん底だし、インフレにもなっていないのは矛盾する
毎年財政赤字の分だけ貨幣発行残高は増え続けているのにデフレなのは説明がつかない
既存の主流派経済学は現実を説明できていないんだよなあ
現実の経済現象と矛盾してる時点で「仮説」にすらなっていない
結局、アメリカ一国の物価が上昇していようが、例外が存在する以上は何の証明にもならない
そもそも数十年単位でゆっくり物価が上昇するマイルドインフレはMMTの望むところだから、それをもってして問題視されても無意味
貨幣価値が暴落するのが問題な理由は、物価が上昇することが問題なんじゃなくて、ハイパーインフレになることが問題なんでしょ?
匿名さん、コメントありがとうございます。
>>とりあえずブログ主が「信用」の実在をまともに
>>証明できていないことは確か
この時点で、恐れ入りますが匿名さんは経済学の本質に気付かれていないと判明しますね。
経済学の教科書の記述、経済学者や評論家の発言の一体何割が「証明」されていると思っていますか?
ほぼ、ゼロですよ。
そういう意味では、経済学とは科学ですらない(経済学の性質上、やむを得ないのですが)
実在を証明しろとおっしゃっている「信用」とは、経済学用語でいう「信用(credit)」の事ですか。
だとすれば、これは別記事で詳しく説明していますが(匿名さんがコメントされている記事です)、「概念」ですよ。
概念の「実在」を「証明」しろ、とはまた無茶をおっしゃいますね。学者はそれこそ唯物論者が多いので、そんな事を言うと鼻で笑われますよ。
>>「外貨建て国債と自国通貨建て国債に違いが無い」とか
>>言われても、その「原理」が説明されていないから意味不明な
>>ことを言い出したとようにしか見えない
何か騙されてませんか。
どちらも「債務」ですよ。
説明を求められていますが、さすがにそういう基礎的なところはご自身で勉強願います。
また、結局どちらも本質的に同じなんだという事を説明可能なのが、それこそcredit概念です。
>>貿易赤字だと永遠に返済できない外貨建て国債が、自国通貨建て
>>国債とリスクが同じわけがない
それこそ証明不可能の話じゃないでしょうか。
貿易赤字続きでも、対外債務をちゃんと完済する国はありそうですけれど。
そもそも外貨獲得が相当に厳しい程、極度の貿易赤字続きの極限状態であれば、国家のcreditも極限まで低下していますよ。
そうなれば自国通貨建ての国債だって返済は厳しいですよ。
自国通貨ならバンバン増刷して返せば良いだけの話(だからリスクが低い)、というのは詭弁ですからね。紙切れと化した通貨で返済を受けた人々は、おそらく誰一人として納得しませんよ。
それは帳簿上、見た目上の完済に過ぎず、実質は返済不能に陥っていると見なすべきです。下手すりゃ暴動モノです。それこそ日本政府の戦後財政破綻を「無かった事」にしている三橋氏なども、そこへの見解が甘いと言わざるを得ません。
>>本当に信用が貨幣価値に影響を与えるのなら、
>>バブル崩壊以降1000兆円規模で貨幣発行残高が
>>増えている日本の信用はどん底だし、
どん底ですね。
今は日銀の禁じ手で辛うじてしのいでいるだけでしょ。
それとドイツを除く海外先進諸国も、日本並みかそれ以上に悪いので、相対的に日本の方がマシということで救われているだけです。
それと、それこそ幸田のcredit概念で説明可能ですが、真面目で勤勉な日本国民が、国家のcreditをギリギリのところで踏みとどまらせていると言えます。
別記事でも解説しましたが、会社のcreditは従業員を資産と見なしません。しかし国家のcreditは国民を資産として計上するのです。
>>インフレにもなっていないのは矛盾する
おっしゃる通りですね。
しかしこれも、インフレを上回るデフレ要因がある(幸田はITデフレ要因論を提唱しています)、ということで説明がつきますよ。
また前述のように海外先進国(特にアメリカ)との相対論でも説明がつきます。インフレデフレは一国の事情だけで決まらない時代です。
>>既存の主流派経済学は現実を説明できて
>>いないんだよなあ
>>現実の経済現象と矛盾してる時点で「仮説」にすら
>>なっていない
同感です。
これは経済学の教科書全般に言えることだと思います。
現代貨幣理論だって、それこそ何ら証明されているわけではありませんから。
むしろわざと、本質をボカした事を教えているのではないか。一般市民に本質的な事を教えたくないのではないか……とさえ勘繰っています。
匿名さんのコメントはふわっとしてなくて分かりやすいです。
勉強になります。
>例えば米ドルを見て下さい。税務署や警察はちゃんと機能していますが、ン十年というスパンで見るとかなり価値が下落していますよ。
この先、戦争が無くとも下落や暴落のシナリオは、幾らでもあります。
数十年もかければ経済成長に伴って物価はいくらでも上がる
モノやサービスは常に進化するんだから、その価値が一定のわけが無い
そこに政府のcreditなんてものが介入する余地は無い
ましてやアメリカと貿易している国が全く成長しないわけが無いんだから、「相対的」にドルの価値が低下するのは当たり前
比べるならアメリカと今の他国ではなくアメリカと昔の他国でするべき
資本主義は基本的にインフレスパイラル
その「インフレ上昇率」が経済の実態とかけ離れて異常だとデフレだとかハイパーインフレと呼ばれるだけ
日本みたいに名目物価上昇率までマイナスになってる高デフレ国も珍しいが
土地や株のバブルは富の偏り、法規制の問題であって、貨幣発行残高を減らしたところで無くなりはしない
匿名さん、コメントありがとうございます。
>>数十年もかければ経済成長に伴って物価はいくらでも
>>上がる
>>モノやサービスは常に進化するんだから、その価値が
>>一定のわけが無い
おっしゃる通りですね。
ですから、「税務署や警察が機能してれば通貨に価値はある」の根拠にはなりません。
>>そこに政府のcreditなんてものが介入する余地は無い
それはcredit概念を理解してから(納得してくれとは申しません)おっしゃって下さい。
そこが当記事の肝ですから。
>>ましてやアメリカと貿易している国が全く成長しない
>>わけが無いんだから、「相対的」にドルの価値が低下する
>>のは当たり前
アメリカと貿易していてマイナス成長の国なんて、幾らでも存在するのでは?
>>資本主義は基本的にインフレスパイラル
それは相当に古い理論です。
昔の、まだまだ幾らでも国内や海外に市場開拓余地が残されていた時代の話。
アメリカだってデフレ基調ですよ。ただしFEDがバンバン通貨発行するから、そのインフレ要因と相殺されていますが。
なお、匿名さんのおっしゃる「物価」だとか「貨幣発行残高」というのは、景気を測る指標にはなっても、「一国の経済の実態を知る」指標としては本質的にズレてると思いますよ。
日本の政治家は、むしろそれを積極的に取り上げる事で、日本経済の実態の危機的状況を糊塗しているようですが。……
コメントのやり取りを拝見し、勉強になりました。程度によるので、どちらの方向性がいいのかもう少し勉強したいと思いました。
たけさん、コメントありがとうございます。
この件、もっと活発に議論していきたいと考えています。
解説不足も痛感していますので、関連記事も充実させたいです。
ともあれ、今後ともよろしくお願いします。
某氏のyoutube動画があまりにも過激で胡散臭いので反論を探していて辿り着きました。
やはり異なる意見を聞いて自分で判断することは大切ですね、とても勉強になりました。
別記事で紹介されているcreditの動画はなんだかオシャレで楽しかったです。
匿名さん、コメントありがとうございます。
あの動画、ホントよく出来てますね。
ただ「30分で理解出来る」ってキャッチフレーズは無理があると思いますが(笑)
2017年の記事に今更突っ込むにもあれだけど、財政破綻論者の決まり文句「信用(モラル)」ですか……?「円の信任」「財政の信任」と意味不明な抽象用語で破綻を煽るわけですが、それって具体的になんですか?どう言った経済指標でそれは示せますか?
日本政府の債務残高が増え続けようが、黒田日銀が400兆円もの国債を民間銀行から買い取ろうが、国債金利も上がらず、過度なインフレにもならず、円が暴落することもない。
更に2020年は実に100兆円もの国債を発行しましたが、なんの問題もなく市中消化されましたね。当たり前ですが。
と言う現実を示しても「いつか崩壊する!一旦崩壊が始まれば一瞬だ!!」と、これまた具体性ゼロの意味不明な反論をしてくるわけです。
あと戦後の供給力不足からの高いインフレとその対策の新円切り替えや世紀の悪法、財産税課税を持ち出すのは恥ずかしいだけなので、やめたほうがいいですよ。それ政府債務残高の多寡と関係ないですから。
今日もうんちしたさん、コメントありがとうございます。
「信用(モラル)」という側面もありますが、テクニカル的には「信用(credit)」です。詳しくは以下の記事をお読み頂きたいと思います。
https://offtime.sohnosuke.com/archives/13192
つまり個人であれば、銀行に融資を申し込めば、年収だとか資産を尋ねられますよね。そしてその人の「貸出限度額」が決まる。イコール、その人にとってみれば「支払い可能額」でもあります。
これこそが「クレジット(credit)」即ち「信用」なんです。信用なんて日本語訳を付けたため、本質が解りづらくなってしまっていますが……。
これは各国政府に関しても同じことです。税収や資産から、各人が「貸出限度額」≒「支払い可能額」→「credit」を見積もる。それを超えれば誰も国債を買わない。その時が国家破綻です。
日本はゼロ金利政策を採ってまで、シンジケート団に国債を買わせていたが、それすら厳しくなり、とうとう日銀全量引受の保証をして国債を裁くという、末期状態。ちなみに中央銀行の自国債引受は国際法違反、というのはご存知ですよね!?
もう行き詰まっているんです。
>>それ政府債務残高の多寡と関係ないですから。
いやいやありますよ(笑)
莫大な戦費を使って、それこそクレジットの何倍もの債務を負ったから潰れただけでしょ。
>>財産税課税を持ち出すのは恥ずかしいだけなので、
個人の資産や給与にまで手をつけた時点で、政府財政が破綻していたという揺るがぬ証拠でしょ。
幸田さんのサイトを見させて貰って
国債の信用やクレジットなど良くわかりました
幸田さんに質問なのですが
幸田さんは年金についてはどう思っているのですか?
幸田さんは年金を廃止するべきだと思っているのでしょうか?
ネットで日本経済や国債等の経済に関する事を軽く調べても
年金と国債は経済に大きな影響があるのですが
経済や国債の説明をしている人が
年金に関して説明している事が非常に少ないですし
年金を廃止するべきだと強く主張してる人がいない事がおかしいと思いました
三橋貴明の動画なんかデタラメで
動画で中で
特別会計が問題無い・年金の説明が無い・国債の利払いの説明無し・という
冗談みたいなデタラメな内容になっています
小黒一正も経済について解説しているのですが
国債や利払い、年金、世代間の差など解説してくれていて
小黒一正は年金・医療・介護などの福祉が問題だと解説してくれているのですが
なぜか年金を廃止するべきだと強く主張していません
お金のある富裕層な人たちは年金の福祉があった方が
国民が年金の支払いで苦しんでくれて
お金のある自分たちが相対的に大きな得をするので
年金については何も言わないし廃止も望まないということですかね
あかさたなさん、コメントありがとうございます。
年金についてはあいにく不勉強で、手が回っていません。
なので大して語れませんが、まあしかし大幅に改革すべきだとは思います。
さすがに全廃するわけにはいかない、と思いますよ。いわゆる基礎年金といいますか、土台部分は必須のシステムでしょう。
しかしそれ以外は、抜本的に見直すべきでしょうね。そこはあかさたなさんご指摘の通り、無視、放置してはいけないと感じますね。