「卑弥呼様が降臨してアレの証拠隠滅を頼まれちゃった~」を書き終え只今充電期間中

雑談

クォリティ軽視で良いのか!?

幸田の認識通り、「文芸」の本質が「エンターテインメント」であれば、とにかく面白ければ良いわけですよ。
なのでクオリティは二の次三の次。
 
お菓子は、何も市販の既成品のクォリティに達していなくて良いんです。ましてや腕利きのパティシエが作るような、芸術的なケーキなんて要らない。
とにかく甘くて腹が満たされれば、それで良い。大量に砂糖を投入した小麦粉を水で練っただけの、もはやお菓子と呼べないレベルで充分。とにかくスゴく甘ければOK。――
 
とにかくスゴく甘いモノ。それがアマチュアのフリー小説サイトのニーズだと想像します。
 
インチキ臭い「文学」という、虚飾まみれ浮世離れしたモノではなく、そもそもの本質たるエンターテインメント性を重視する傾向。
……という、言わば「文芸正常化の流れ」は歓迎すべきことだと思うのですが、読み手も書き手もベースとなる文章のクォリティをほとんど問わない状況、というのは如何なものでしょうか。
 
それはちょっと、行き過ぎではないかと危惧を抱くんですよね。
本質は満たしているかもしれないが、文芸としての体を為していないではないか、と。――
 
 
 

「現実社会への憂さ晴らし」ニーズ!?

実際に小説を書いてみて解ったことなんですけれど、文芸において「現実」というのは大変な足枷のようです。
つまり現実に拘ると、ぶっ飛んだ登場人物やとことん面白いストーリーを書けなくなるんです。
 
なのでハナっから「現実」を捨て、全く虚構の「作品世界」をベースにして書く。
読み手もハナっから現実的作品世界に拘らない。
これが今日の、文芸のトレンドでしょうか。つまり「異世界モノ」が氾濫しているようです。
 
それはそれで、良い事かもしれません。
 
  現実≒自然主義≒「様式美」
 
という足枷を付けた上で、己れの可動範囲内で精一杯の舞いを披露する。勿論それも一興ですが、無理に足枷に拘る必要はないでしょう。
あらゆる足枷を解き放ち、舞台を広げてエンターテインメント性を追求する。それもアリだとは思います。
 
しかしその結果、

  • 突然何らかの特殊能力(チートスキル、と呼ぶそうです)を得、現実(的)世界においてとことん好き勝手に動き回る。
  • RPGのような異世界に転生(転移)し、さらにチートスキルを得てスーパーヒーローのように活躍する。
  • 過去に転生(転移)し、未来人スキルでもって歴史改変。

……といった小説が、やたらと氾濫しているようです。
 
つまり、閉塞状態にあるこの現実世界にフラストレーションを溜め込み、そのウサを晴らすような小説を書いているんですよね。
また読み手の側も、そういった小説を読んで溜飲を下げる。――
 
そんなトレンドが見て取れます。
日本人は、日本社会は、とにかく病んでいますね。
 
それで良いのか、と大いに危惧を抱きます。ニーズはニーズとして甘受しつつ、もう一歩新たな方向に足を踏み出せないものか。……
そんなことを考えつつ、次作構想を練っている今日この頃です。乞うご期待。

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Posted by 幸田 蒼之助