ブロムシュテット+LGOのブルックナー交響曲第3番第一稿
ブルックナー 交響曲第3番(第一稿)
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮+ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
SACD
ここ最近、まるで中毒にかかったかのように、毎日聴いています。
ブルックナーの3番は、これまでてっきり「駄作」だと思っていました。
そういえば彼の朝比奈御大も、それらしきことを言ってましたよね。私も何枚か聴いてみたのですが全然馴染めず、ずっと敬遠していました。
が、この初稿を聴いて、認識が誤っていたことを知りました。
ここに、まばゆいばかりの煌びやかでふくよかな音楽があります。おそらくこれこそが、ブルックナーの意図した「真の3番」なのでしょう。
ブルックナーはワーグナーを尊敬するあまり、氏の音楽をパクりまくっているようです(笑)
かつ、ウィーン・フィルに演奏不能と突っ返され、周囲からさんざんケチをつけられます。
で、ブルックナーは泣きながらあっちを削り、こっちを削りして訂正します。さらにはブルックナーの弟子が、おそらく悪気はないんでしょうけど寄ってたかって訂正しています。
結果、トータルバランスがぐちゃぐちゃに崩れた駄作、「第三稿」が誕生します。私はいきなり、そんな第三稿を聴いて「駄作じゃん」と放り投げてしまったのでしょう。・・・・
芸術作品は、モーツァルトを例にとりあげるまでもなく、一気呵成にアイデアを具現化した瞬間が、実は一番バランスがとれているケースが多いのではないかと想像します。
手を入れれば入れるほど、いろいろとおかしくなってくる。完成度が落ちる。今回第一稿を聴いて、このブル3こそがその典型ではないかと痛感しました。
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