「死都日本」を読んで東北大震災を考える

2013/01/23休日は読書三昧

死都日本のラストは、日本の現状と比較して、考えさせられる点が多々あります。
まず大災害の少し前に政権交代を果たし、革新派の優秀な党首が首相になります。その後西日本が壊滅するという、破滅的大被害を被ります。
しかし大災害を予測し、政府は予め様々な対策を講じているのです。だから災害発生と同時に、ありとあらゆる手を打ちます。被災者救助も経済対策も万全なのです。
 
極めつけが金融政策。まず首相は財界の重鎮を集め、日時を定めて米国債をことごとく叩き売ります。
そして首相が内外に対し、メッセージを発するのです。曰く、
「この災害は日本のみならず世界中に、何年にもわたり損害をもたらすだろう。ただ日本は少し前からそれを予測し、対策を練ってきた。充分に手を打ってきたので、すぐに立ち直ることが出来る」
と。
 
世界が日本の復興と首相のリーダーシップに期待し、暴落した円が値を戻します。そこで米国債を買い戻します。円も米国債も大いに暴落した時点で売り、円が上がったところで買い戻すのですから、そりゃもう大儲けですよ。
日本の財政は破綻するどころか、むしろ被災前より改善するというのです。そしてそこから、日本の復興が始まります。

 
どうですか!?
リスクの予測であるとか、そういった想定の元に予め対策を立てておくことの大切さ。
そしてリーダーシップ。

 
片や現実、片やしょせん小説ではありますが、この国に何が欠けているのか、日本再生の条件とは何なのかを考えさせられます
 
地元宮崎人にとっては特に、手に汗を握るリアリティ溢れる小説です。
宮崎以外の方々にも是非是非、この機会に読んでみて頂きたい一冊です。

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