百姓は生かさず殺さず、という「捏造」
幸田はガキの頃ご幼少の折から、歴史が大好きです。
小学1年生の春、豊臣秀吉の伝記を読み、戦国史にハマりました。
小学3年生の時、源義経の伝記を読み、かつお袋方のご先祖様が鎮西八郎為朝だと知り、源平史にハマりました。
小学校高学年になって「竜馬がゆく」(司馬遼太郎著)に出会い、幕末史にハマりました。
一方で江戸時代に関しては、ほぼ興味ナシ、でした。
泰平の世が260年も続き、学校でもほとんど学者名や文化史しか教わりません。しかも、
「強固な階級社会で、いわば暗黒の時代」
といったイメージで教わります。そりゃもう、興味を抱く筈がありませんよね(笑)
ですからつい最近まで、江戸時代史に関しては何も知らないままでした。
幸田はまた、ガキの頃ご幼少の折から政治経済にも強い関心を持っていました。
- 民主主義国と習ったが、どうして民意と政治が乖離していく一方なのか。
- 職業も住まいも自由に選べて、頑張りさえすれば裕福になれると習うが、なぜ一般市民はおしなべて貧乏なのか。貧困化が進行する一方なのか。
- 何が悪いから世の中良くならないのか。何を改善すれば、世の中良くなるのか。
そういった課題意識を持ち、社会を眺めてきました。
「過去の歴史を知り、現代社会と比較することによって、その答えが見えてくるのではないか」
と考えるようになり、ここ数年、歴史の研究に力を入れるようになりました。
そういうわけで、とりわけ江戸時代に着目するようになったわけです。
江戸時代って、暗黒の時代どころか、知れば知る程極めて合理的かつレベルの高い社会だったということが判明します。
確かに階級社会ではありますが、被支配階級を搾取するシステムではありません。高度な社会思想があり、非常に調和の取れた、幸福度の高い平和な社会でした。だからこそ260年以上も持続したわけですよ。
学ぶべきところがたくさんあります。これについてはいずれ、少しずつ記事にしたいと思います。
・・・・と、そこで1つ疑問が生じます。
「百姓は、生かさず殺さず」
という、有名な言葉です。
どうも、幸田の検証による江戸時代観とはズレがあります。
教科書に載っていたかどうかは覚えていませんが、江戸時代を象徴する言葉として教わります。
いわく、徳川家康の言葉だ、と。
江戸時代の政治方針だ、と。・・・・
「落穂集」という、兵学者大道寺友山重祐の書籍に、そう書かれているそうです。
よくよく調べてみると、当該書籍は享保12年(1727年)に発表したものなのだとか。
あれれれ!?
ということは、家康の没後100年ですよね。
ホントに家康の言葉なのか・・・・という疑問が湧いてくるわけです。
早速ググってみると、実際はどうやら家康自身の言葉ではなく、家康の腹心であった本多正信の言葉なんだとか(苦笑)
しかも正しくは、
「農民は財の余らぬように、不足のないように(年貢を納めるべき)」
と言ったんだとか。・・・・
わはははは。
なんじゃそりゃ(^^;
百姓を搾取しろと言っているのではなく、課税業務を適切かつしっかりやれ、という意味じゃん(笑)
シロートの幸田ごときが、ちょっと調べただけで判明するようなことなのです。
本職の学者先生方が、気付かない筈がないわけです。もし気付かないとすれば職務怠慢です。
わざと事実を伏せ解釈を捻じ曲げ、子供達にウソの歴史観を刷り込んでいるわけです。
何故か。
江戸時代をdisり、相対的に現代社会を「素晴らしいもの」と持ち上げるためです(^^;
逆に言えば、有り体に江戸時代を評価すると、現代社会のイカサマぶりが全部バレてしまうわけですよ。
それを恐れ、極めて高度に成熟した社会であった江戸時代を、意図的にこき下ろしているのです。
教育とは何か、ということをつくづく考えさせられます。
私達がガキの頃から、一生懸命教え込まれてきた知識とは一体何なのか、と疑問を抱かざるを得ません。
ムダとウソだらけではないか、と。
全然信用できないじゃないか、と。
役に立つ知識が一体何割あるのか、と。
ムダとウソを大量に詰め込まれた一方で、本当に必要な知識とスキルの修養がどれだけ疎かになっていることか、と。・・・・
いやもう、今日の日本の凋落の原因は、まさにそこなんですよ。
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