「ウクライナ情勢」 国際情勢に疎いと国家の命運を誤る ー 後編

国際社会と「日本人の矜持」

中編より続きます。

ウクライナのゼレンスキー大統領。――
これまでずっと強気で、ロシアの虎の尾をゲシゲシと執拗に踏みにじっていた男。
が、ここに来て、エラい弱腰に……(苦笑)
ロシア侵攻が確定的となり、国内あちこちにロシア軍が侵入してきているのに、なおもロシアとの断交を躊躇う……という体たらく。
いやまあ、結局は断交に至ったわけだが、当人の本音としてはこの事態を望んでいなかったのだろう。

で、
「誰も我々を支援してくれない。我々は孤立した」
と泣き言をたれる(笑)
お前はアホか、と(^^;

あの様子を見れば、ゼレンスキー政権は傀儡だった、ゼレンスキー大統領は背後に居る誰かに操られているだけ……とイヤでも解かるだろう。
NATO西側陣営を頼んでいたが、ここにきて突如梯子を外され、慌てふためいているという構図。

欧州諸国はライフラインを握られている

そりゃそうだろう。NATOとて一枚岩ではない。

既に欧州では、現在ガス代が急騰している。一般家庭のガス代が、ひと月で10万円台なんて話になっている。
あちらの国々は寒いので、ガス代が払えず供給を止められたら、凍死する。
欧州の多数の国々が、日頃ロシアからガスを輸入しているのである。本来、彼らはロシアと喧嘩なんか出来ない筈なのだ。

つまり強気でロシアに喧嘩を売っているのは、アメリカさんだとか2,3の国々だけなのだろう。大多数はむしろ、ウクライナ支援を通じてロシアと敵対する事態は避けたいのだ。
先日ドイツが、ウクライナの支援要請に対し、
「頑張れ!!」
と大量のヘルメットを送ったというニュースが流れ、笑ってしまった。さすがは優秀なるドイツ人。頓智が利いている。
要するにあれが、欧州の国々の本音だと判る。ロシアとは敵対したくないがウクライナも無碍には出来ない、厄介な状況だと苦々しく思っているのである。

新たな草刈場を求める西側自由主義陣営

結局のところ現在の国際情勢というのは、西側陣営――自由主義経済圏の主要国――が、新たな草刈場を求めている、という構図である。
西側陣営、特にアメリカさんなどは、自由主義経済の限界が迫り伸びしろが無くなって、いよいよロシア経済圏の攻略を手掛けようとしている。

その第一弾として、国内が混乱していたウクライナを政治的に奪い、傀儡政権を打ち立てた。で、ウクライナ国内にNATO軍を駐留させようとした。それがここ20年ばかしの状況である。
なのでロシアが、国家安全保障上の危機感を抱いた。これ以上は捨て置けぬ、と非常手段に出た。それが今回のウクライナ侵攻である。

既に両陣営はマスゴミを通じてのプロパガンダ合戦になっている。
日本などは特に、偏った情報しかニュースに流れない。
しかしそれでも、どちらに非があるか、明白ではないか。平和を望むのであれば、どちらが引くべきか、そしてどちらが断罪されるべきか、明らかではないか。

日本人は歴史に学ばない

にもかかわらず日本政府――岸田とかいうアホ首相――は、徹頭徹尾アメリカさんのケツにくっつき彼らの利害を支援する。

早々からロシアを非難し続け、珍しくあっという間にロシア経済制裁を決めた。国際的な経済包囲網を構築する動きに、積極的に加担している。
岸田政権は極めて迅速に、いや拙速に、日本の旗幟を鮮明にしたということだ。西側自由主義経済圏の草刈場拡大に、真っ先に加担しているわけだ。
そんな事で良いのか。

思うに、日本人は歴史に学ばない。
自分達が過去、どういう目にあったのか忘れたのか。

我々日本人は80年ばかし前、欧米諸国から徹底的に叩かれた。いやがらせに等しい経済制裁を四方八方から食らい、挑発されまくった。
そのため国家の存続が脅かされる窮地に陥った。言うまでもないが、資源に乏しい我が国は、経済的に包囲されると途端に立ち行かなくなる。
だから泣く泣く、窮鼠猫を噛むが如く、勝算に乏しい戦争に踏み切らざるを得なくなった。

そういった、他ならぬ自国の歴史に何も学んでいないではないか。
経済制裁とは、本来「禁じ手」なのだ。日本人は、かつてそれを食らって酷い目にあっておきながら、なぜそれが解らないのか!?

「戦争」とは……

戦争とは、経済的利益を目論む強者が、弱者に対し起こすものである。
もしくはそれに対し、国家安全保障上の危機に陥った側が、国家の存続をかけて立ち上がるものである。
これ即ち「歴史の法則」である。

現代の国際社会では、余程の口実がない限り、戦争を仕掛けることが出来ない。明確な大義名分が必要だ。利益目当てで戦争を仕掛けたいんだ、という本音は絶対に隠蔽せざるを得ない。
その、本音を隠蔽しつつ大義名分を拵える手段が「経済制裁」である。相手が窮し、先に手を出してくるのを待つ。

国際的な経済の枠組みにおいて制裁包囲網を築き、相手を追い込む。挑発する。
相手側が国家安全保障上の脅威を感じ、或いは危機的状況に陥り、窮鼠猫を噛む形で飛び出して来るのを待つ。そしていざ飛び出して来たら、待ってましたとばかり全力で叩く。

かつて80年前、我が国もそれをやられた。ハメられた。
現在のロシアの状況が、まさにそれだ。
ちゃんと歴史に学んでいれば、一目瞭然ではないか。……

矜持なき腰抜け国家日本、で良いのか!?

裏で先頭に立ってロシアと敵対するアメリカさんは、確かに世界最大の軍事大国である。
日本も、そのケツにくっついていれば大失敗はしないだろう。
「常に勝ち馬に乗るのが日本の国家戦略」
ということであれば、これで良いのかもしれない。

が、そんな胸糞悪いノンポリシーで良いのか。
弱い癖に、バカなジャイアンのケツに張り付き、一緒になって誰かを叩く。「いじめ」がまさに、その構図である。で、勝ち馬に乗って保身を図る。
そんな卑しい人間を、国を、誰が信頼するだろうか。
常に強者側に付くだとか「溺れる犬を棒で叩く」などと、その国民性の卑しいことで知られる、某近隣諸国の事を笑えない(苦笑)

そもそも今回、ロシアは尻に火をつけられた側である。危機感を抱いており、本気度で西側陣営に勝る。
アメリカさんをはじめとする西側陣営がすんなり勝つ、とは限らない。
現にNATO全体を見渡せば、完全に及び腰ではないか。既にNATO軍のウクライナ派遣は見送られた。

一部の国々がウクライナへの武器供給を決めた、と報じられている。が、金額ベースで見ると微々たるもので、本気度に勝るロシアの侵攻を食い止めるには無理がある。

ロシアは中国と協力関係にある。中国はロシアを「同盟国」と言っている。
加えて(マスゴミは報道しないが)イスラエル情勢がきな臭い。第三次世界大戦勃発の気配、ぷんぷんではないか。
もしそうなれば、この日本こそ、早い段階で戦火に巻き込まれる可能性大である。
安易に勝ち馬に乗ろうなんて考えが通用しないどころか、多大なしっぺ返しを食らうリスクを負う。

つまり我々日本人は、国際情勢を他人事のように見ていてはダメなのだ。
たとえ直接関係ないウクライナ情勢といえど、ちゃんと客観的に眺め、日本人としてどうあるべきか、国家としてのポリシーを示し自身のスタンスを意識すべきなのだ。

そしてアホ首相に「No!!」を突きつけるべきだった。アホ首相のケツを叩いて、平和外交を促すべきだった。
欧州にガス提供なんて、絶対にやってはいけなかった。あれこそ、欧州に戦意を失わさせ、アメリカさんを踏みとどまらせる外交的切り札だった。

それが、平和憲法(笑)を掲げる日本人の役割だった筈なのだが……。
ダメだこりゃ(涙目)

PVアクセスランキング にほんブログ村