もはや一刻の猶予もない!! 「日本の恐ろしい真実」
日本の恐ろしい真実
辛坊冶郎著
いやはやこれは相当な名著です。
いわゆるオカルト本の類いではありません。内容は極めてオーソドックスです。
オーソドックスな記述ながら、日本は全くもって一刻の余裕もない、まさに崖っぷちの状況にあると痛感させられます。財政、年金医療、世代間格差に始まり、いかに日本という国家が行き詰っているかを思い知らされます。
ご存知の通り、日本の国家財政の規模は80兆90兆で、しかしながら歳入は40兆円を割っています。
収入の2倍、支出しているなんて、どう考えたって破綻まっしぐらですよ。誰がそんな予算を認めているんでしょうね。
歳入40兆のうち、全サラリーマンやOLの支払う所得税総額が、10兆円だそうです。
10兆円とはどういう金額なのか。辛坊氏によれば、75歳以上の高齢者の医療費(公的負担分)が、およそ10兆円だそうです。
全サラリーマンやOL、すなわち国民の大多数が汗水たらして働いた稼ぎから、血のにじむような思いで工面し支払った税金も、まさに焼け石に水をたらすように蒸発しているという構図なんですよ。
他にも重要な支出はたくさんあるわけですが、その多くは借金で賄わなければどうにもならない、と。ムチャクチャです。
本書において指摘されている、日本の抱える問題は他にもたくさんあります。国家だけでなく、民間も問題だらけです。ここで全てを取り上げるわけにはいきませんが。
その指摘の確かさも勿論ですが、早くなんとかしなければならない、という氏の強烈な思いがひしひしと伝わってくるのです。
たった今から、諸問題に手をつけないと日本は終わりだ、と。
その強烈な思いに共感をおぼえる、という意味で名著だ感じます。
そんな崖っぷち状況に加え、東北大震災及び原発問題という、極めて大きなマイナスが加わったというのが現状。
日本は本当に、どうなるのでしょうか。
いや、どうなるのでしょうか、じゃないですね。
どうにかするべきなんですよね。
大至急、今後数十年の国家戦略を立てる。国家戦略に沿った震災復興のグランドデザインを描く。
そして国民全てが一丸となって、国家の建て直しを図る。
震災復興は、考えようによっては国家建て直しの絶好のチャンスなんですよね。単に壊れたモノを治すだけでなく、戦略的に創っていくべきだと思うんですよ。
ですが現実は・・・・。
ため息ばかりしかでませんが、そこを乗り越えるべきなんですよねえ。
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