残念ながらトンデモ論!! 三橋貴明氏「日本が国債破綻しない24の理由」

2017/09/02

以前から三橋貴明氏の、
「日本政府がいかに借金を増やそうと、財政破綻はあり得ない」
という説に、ちょっと興味を持っていました。
先日、「日本が国債破綻しない24の理由」という動画商材が100円で販売されていたので、良い機会だと思い購入してみました。
 
なるほど。やはりトンデモ論でした(^^;
三橋氏に対しまともに反論できる方がいないため、氏の説が支持され信者が多数存在するようですが、よくよく読むと珍説奇説の類ですな。残念ながら。

というわけで、以下、氏の説を分析したいと思います。
 
 
 

政府財政破綻の定義?

三橋氏によると、「財政破綻」の定義とは明確なんだそうです。つまり、
「政府負債たる国債の償還、利払いが出来なくなること。即ち債務不履行の事態に陥ること」
だそうです。
「それ以外の定義はありません」
とのこと。
 
日本政府の場合、自国通貨建てで国債を発行(国債の引き受け手がほぼ全て国内)しているので、むしろ債務不履行の事態を引き起こす方が難しい、わざと意図的に財政破綻を起こすことも困難・・・・と述べます。
「だから財政破綻はあり得ない。破綻論はウソだ」
と。
 
いえいえいえ。その前提が、実は間違っているんですよ。
 
確かにIMFによる財政破綻の定義などは、氏のおっしゃるように「政府の債務不履行」です。
しかしそれはあくまで一面的な定義に過ぎません。財政破綻の定義は、実は様々なのです。様々な立場の方が様々な定義を主張し、決して明確に定まっているわけではないのです。
 
三橋説は、この「前提」の認識に問題がある、ということが判ります。
 
 
 

日本は過去に財政破綻の経験を持つ

三橋氏は、
「日本政府は過去に、財政破綻を引き起こしたことはありません」
と述べています。
 
いえいえ。ありますよ(^^;
敗戦直後の昭和21年、財政破綻状態に陥っています。
この時は「預金封鎖&新円切替」を行い、日本政府は国民の側にツケを回して政府負債をチャラにしました。
 
氏に言わせれば、
「帳簿上、債務不履行に陥っていないから、定義に照らし合わせれば財政破綻ではない」
ということかもしれませんが、だとすればとんでもない話です。政治学的に見れば立派な財政破綻です。
 
つまり、
「財政破綻の定義は(三橋氏の主張に反し)様々なので、破綻に至るシナリオは複数存在する」
というわけです。昭和21年のケースがまさにそうなのです。
 
 
 

三橋説に欠けている「視点」

三橋氏の説の結論は、
 

  • とにかく債務不履行に至らなければ良い。
  • 政府負債が幾ら増えようと、政府の子会社たる日銀がどんどん引き受ければよい。
  • 日銀は国債を引き受けて資産を増やし、その分お金を刷る(負債を増やす)。つまりどんどんバランスシートを膨らませばよいだけの話。
  • どうせなら長期国債ではなく無期限国債にし、借金を永久に塩漬けにしてしまえばよい。
  • そうすれば永久に、債務不履行には陥らない。つまり政府財政破綻は、理論上あり得ない。

 
というものです。
 
アホですか!?(笑)
そんな、モラルを無視したデタラメ政策、いつまでも続く筈がないでしょ(^^;