どう動いているの? 「欧州金融危機」
欧州金融危機に関する状況がどのように進展しているのか、さっぱり掴めませんね。
数時間かけて、国内のみならず海外の記事まで読み漁りましたが、イマイチよく解りません。
記事を読みながら感じるのですが、メディアの報道1つ1つが断片に過ぎず、作業全体の進捗が見えないんですよね。
中身は随分とポジティブに書かれています。特にロイターの記事。
合意に達した、決定した、と前向きな情報が先行します。しかしよくよく読めば、実施には大きな困難を伴ったり、裏側に大きな問題が存在したりするのです。
例えばロイターの、一連の記事。
[欧州大手金融機関がEFSFに書簡、国債への一部保証付与案を支持]
http://jp.reuters.com/article/jp_financialcrisis/idJPJAPAN-23755520111021
ロイター 2011/10/22 05:29
支持を表明した、などと書いてあるので何らかのコンセンサスが形成(一歩前進)されつつあるように感じますが・・・・。
よくよく読むと、大手金融機関10社がEFSF(欧州金融安定ファシリティー)に対し、要望を提出しただけなんですよね。我々民間金融機関にもソブリン債保証を付けてくれ、と。
しかしEFSFというのは本来「EU諸国の財政支援を行うための事業体」であって、民間金融機関を支援するという役割はないんです。
「(支援対象外の)我々に対しても直接支援してくれ、と要望しました」
という記事に過ぎないんです。
まあ、結局この記事の翌日に、EFSF機能拡大案の1つとして合意に達し、そういった役割も果たしていくことになったようですが。
[欧州銀資本増強、ウニクレディトなど大手は予想下回る見通し=調査]
http://jp.reuters.com/article/jp_financialcrisis/idJPJAPAN-23753520111021
ロイター 2011/10/22 02:23
予想下回る見通し、とタイトルにわざわざポジティブな情報を盛り込んでいます。
しかしこれも、要するに金融機関が資本増強という非常に難しい課題を課せられることになる、という事実を裏側で述べているんですよね。
かつ、これまた情報が断片的でこの記事だけ読んでも判らないのですが、記事中に「資本増強額が900億─1000億ユーロになる」と書いてあるのに対し、IMFの見立てでは「その2倍は必要だろう」というのです。
難題である上に、それでもまだ不十分だということです。
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